2007/11/01

Poincaré conjecture

久しぶりに日記を書きます。

最近色々脳内で考えざるおえない事が続き
思考中の自分のボキャブラリーの少なさと思考回路の単純さに
がっかりすると共に、活字に飢えていた自分に気が付き、
自宅にある本を読破し、それでも飢え続けている自分は
近所の本屋に走り、哲学書やラブストーリー、FBI関連の本や医学書
ただ気になる表題を見つけては読破したりしていました。
久しぶりに読書をして頭の中がすっきりしました。

さて。
私らしからぬ内容ですが、先日クレイ数学研究所(CMI)に依って
発っせられたmillennium prize problems(ミレニアム懸賞問題)の一つ、
「ポアンカレ予想」が解決したそうです。実際には2002年~2003年に
かけてロシアの数学者グレゴリー・ペレルマンによって証明されていましたが
解析するのにその後、時間がかかり今年の2月に彼の証明は当たっていると
やっと証明されたそうです。

ミレニアム懸賞問題とは、数学界において未可決難題問題集7つで
証明出来ればノーベル賞よりも素晴しいかもしれない数学界のフィールズ賞を
もらえるのは確かで、そして賞金も膨大についてくるそうです。
このポアンカレ予想は100年位解けなかった問題で、沢山の数学者が
この問題に挑んで人生をポアンカレに費やしてきた程の難問でした。

最近の数学界ではトポロジー的な発想が流行っていて、
皆、トポロジーを使って挑戦していたのに、彼は昔ながらの微分幾何学を用いて
証明してしまったそうです。その証明の講演の際、私なんかじゃ一生掛っても
持てないとてつもない頭のスマートな数学者達も、彼がその難題を解いてしまった事に
落胆し、しかもそれがトポロジーではなく微分幾何学を使って証明出来た(物理学も交えて)事に
落胆し、何よりも、その彼の講演中の説明が難しくて理解できずに落胆したそうです。

それほどの大きな偉業を成し遂げたペレルマンは、
そのフィールズ賞も辞退し(辞退するとかいう賞ではないので受賞者ではあるらしい)、
賞金も受け取らずに、ほかにも財団からの賞金1億円程も辞退し、そして今では
ほとんど外界との交流を持たずに母親の暮らすロシアのサンプトペテレブルグで
母の少ない年金で暮らしているそうです。彼は賞などに興味は無く、今はどんな生活を
しているのか海外のテレビ番組で彼を探して決して豊かではなさそうな生活を映し出し
馬鹿にしている物を見ました。もっと彼を尊敬すべきなのに。
彼は賞を辞退する際に、自分の証明が正解かどうかを知れればいい、っぽい事を
話したそうです。そういう言葉は本物の科学者や彼の様な数学者にだけ許された言葉で
感動、というよりももっと大きな衝撃を受けました。

そして最初は知人に世間話で教えてもらったこの問題と彼の今。
天才は孤独だなぁ、と軽率に考えた自分が恥ずかしく思いました。
そんな難題と立ち向かい、証明後に引きこもり誰とも会わずに人格までも変えてしまう程の
それほどまでの執念と孤独な戦いと・・・想像を超えて遥かに強くなければ出来ないでしょう。
今の自分の無知で無力であまりにも甘い生き方に、恥じて悔みました。
そして彼の存在を知り、自分の中に眠っていた好奇心や疑問が頭の中で叫び始めて
そして今、活字中毒になっています。笑

ところで肝心の、ポアンカレ予想の答えは・・・

宇宙の位相幾何学的構造を考える際に数学的根拠を与えたのです。
ポアンカレ予想とは「閉じた3次元多様体の中で単連結性を持つのは3次元球面と同相である」、
宇宙原理としてまだ証明されてはいないが「宇宙は等方で一様である」。
宇宙は閉じている(膨張していてもここでの「閉じる」とは時空から時間軸を除外した3次元空間の意)
・・・ので、私たちの居る宇宙は「閉じた3次元多様体」と考えることができます。

今回、このポアンカレ予想が証明されたので、この宇宙は3次元球面と同相であるだろう、と
いうことが示されたのです。
今現在、数学界では時空が12次元まであるという説もあるので、そうなると適応に十分な留意が
必要、とも書いてありました。

自分で打っててもさっぱりよくわかりませんが、とにかく宇宙は丸い、という事がわかったのです。
きっとペレルマンは、最後の答えを出した瞬間に、ほかの誰にも見えない「宇宙」を見てしまった
んでしょうね。その使命は、そして誰にもわからない計り知れない苦悩と孤独を生んでしまった
のではないかと思います。

宇宙。



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